平成18年度 秋田県総合教育センター
児童生徒支援班研修員の研究の概要

1 茂内 昌貴 周囲と積極的にかかわり,集団に親しみをもって活動する生徒の育成
−生徒指導の機能を生かしたグループづくりや構成的グループエンカウンターを通して−
概要    複数回にわたる構成的グループエンカウンターと,教師と生徒,生徒同士の話し合いを主としたグループづくりを通して,自分の所属するグループや学級集団に親しみをもち多くの人と積極的にかかわって活動しようとする生徒の育成を試みた。 生徒の評価を反映させたグループづくり,多様な関係を体験できる構成的グループエンカウンターなどによって,生徒の学級集団への所属感,満足感を向上させることができた。

2 赤田 賢二 生徒同士がよりよい人間関係を構築することができる学級集団の育成
−自己理解・他者理解を深める話し合い活動を通して−
概要    研究協力校では,幼少時から互いをよく知っているが,人間関係が固定化され,集団内の力関係がはっきりしているため,なかなか本音を言い合えない集団となる傾向が見られる。 そこで,自己理解・他者理解を深めるために構成的グループエンカウンターや道徳のモラルジレンマ資料を活用した話し合い活動を行った。この活動が,本音で言い合えるようになり,仲間とのかかわりを広げ,よりよい人間関係を築くことに有効であった。

3 齊藤 史子 「よさを認め合い,かかわりを広げていこうとする子どもの育成」
−少人数学級における異学年活動を通して−
概要    人間関係が固定化しがちな少人数の学級において,子ども同士の学び合いを生かした異学年活動の場を設定し,一人一人のよさを生かすことや,他とのかかわりを広げることに視点を当てた授業実践を行った。 自己評価や相互評価,教師による一人一人の詳細な観察を通して,活動の意欲を高めたり,内面の変容をとらえたりするようにした。 これにより,お互いのよさを認め合い,自分からかかわりをもとうとする姿が見られるようになった。

4 高橋  学 自尊感情を高めることを目的とした生徒指導
−自己理解を深める活動を通して−
概要    多様化する現代社会において,自己の能力を生かし自己実現を図るには,自尊感情を高めることが大切であると考える。 そこで「ジョハリの窓」と「コラージュ」の活動を通して自己理解を深めることにより,自尊感情を高める検証授業を試みた。 その結果,他者とのかかわりをもつことで自己理解はより深まり,それが自尊感情の高まりに結び付き,学級生活や学校における様々な活動の充実の一助にもなっていることがわかった。